Archive for the ‘刑事事件’ Category

犯人の処罰を求めるための告訴・告発

2017-05-29

告訴は、犯罪の被害者などの告訴権者が捜査機関に対して犯罪事実を申告し、その犯人の処罰を求める意思表示です(刑事訴訟法230条等)。そして、個人だけでなく会社などの法人や法人格のない社団・財団でも被害者として告訴権者になると考えられており、会社などが被害者として告訴をする場合、代表者が行うものとされています(大審院昭和11年7月2日判決)。

一方、告発は、告訴権者と犯人を除く第三者が捜査機関に対して犯罪事実を申告し、その処罰を求める意思表示です。そして、告発については、およそ犯罪があると考えるときは何人でも告発ができる(刑事訴訟法239条1項)とされていますが、一定の犯罪については特定の者の告発がなければ訴訟条件を満たさないとされています。

告訴も告発も捜査機関に対して犯罪事実を申告し犯人の処罰を求めるもので、その違いはその主体の点にあります。なお、犯罪事実を申告するものとして被害届、被害顛末書といった書面が作成されることがありますが、犯人の処罰を求める意思表示を含まないという点で告訴、告発とは区別されます。

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交通事故における被害車両の修理費・買替え費用

2017-05-08

交通事故によって損傷した車両について修理が相当な場合には適正な修理費相当額が損害として認められます。また、損傷した車両が修理不能と認められる状態になった場合には最高裁昭和49年4月15日判決が「交通事故により自動車が損傷を被った場合において、被害車輛の所有者が、これを売却し、事故当時におけるその価格と売却代金との差額を事故と相当因果関係のある損害として加害者に対し請求しうるのは、被害車輛が事故によって、物理的又は経済的に修理不能と認められる状態になったときのほか、被害車輛の所有者においてその買替えをすることが社会通念上相当と認められるときをも含むものと解すべきであるが、被害車輛を買替えたことを社会通念上相当と認めうるがためには、フレーム等車体の本質的構造部分に重大な損傷の生じたことが客観的に認められることを要する」と判示していることから、被害車輌が①物理的・経済的に修理不能と認められる状態になったときと、②車体の本質的構造部分に重大な損傷の生じたことが客観的に認められ、買替えをすることが社会通念上相当と認められるときには、当該被害車両の事故当時における取引価格と売却代金との差額が損害として認められます。

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会計監査人の責任

2017-02-13

会社法2条6号所定の大会社は、会計監査人を置かなければならない(会社法328条)とされています。また、大会社以外の株式会社は、定款で会計監査人を設置することが出来る(会社法326条2項)とされています。

そして、会社法では、会計監査人は、役員等に含まれる(会社法423条1項)とされ、会社に対する責任(会社法423条)と第三者に対する責任(会社法429条)を負うとされています。

かつては会計監査人の損害賠償責任が認められるケースは少なかったようですが、近時の裁判例を見ると、企業による不祥事の影響のためか、大阪地裁平成20年4月18日判決は、会計監査人の会社に対する責任を認めており、また、東京地裁平成21年5月21日判決は、会計監査人の投資家に対する責任を認めています。

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2016年12月14日 公布された法令に関するお知らせ

2016-12-14

 

 

 

 

過去に公布された法令に関するお知らせ 取扱分野>>立法の動向>>会社法等


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撮影場所 – リバティ・ベル・センター (ペンシルバニア州フィラデルフィア)

刑事事件の在留資格への影響

2016-11-14

   外国人の刑事事件において無期または1年を超える懲役もしくは禁錮の実刑判決が確定した場合には刑務所への収監とあわせて退去強制手続が進行します。
また、入管法別表第1の在留資格で在留する者が同法24条4号の2に規定する殺人、傷害、窃盗、詐欺等を行った場合、執行猶予になっても退去強制事由に該当します。

   なお、逮捕・勾留されても不起訴になった場合、直ちに在留資格を否定されることにはなりませんが、在留期間の更新や在留資格の変更の際には「素行が不良でない」かどうかが考慮される(在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン)ため、素行不良として更新や変更が許可されない可能性があります。

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2016年6月7日 公布された法令に関するお知らせ

2016-06-07

   ○  平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法の一部を改正する法律(平成28年法律 第69号)
   ○  特定非営利活動促進法の一部を改正する法律(平成28年法律 第70号)
   ○  民法の一部を改正する法律(平成28年法律 第71号)
   ○  都市再生特別措置法等の一部を改正する法律(平成28年法律 第72号)
   ○  国外犯罪被害弔慰金等の支給に関する法律(平成28年法律 第73号)
   ○  真珠の振興に関する法律(平成28年法律 第74号)

   過去に公布された法令に関するお知らせ 取扱分野>>立法の動向>>会社法等

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被害者等による少年審判の傍聴

2016-03-22

   少年審判は非公開が原則とされていますが、少年法の改正で一定の事件につき被害者等による傍聴が認められるようになっています。

   故意の犯罪行為、刑法211条の罪(業務上過失致死傷罪)、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第4条、第5条又は第6条第3項若しくは第4項の罪により被害者を死亡させ若しくは生命に重大な危険を及ぼした非行の被害者等から傍聴の申出があると、少年の年齢及び心身の状態、事件の性質、審判の状況その他の事情を考慮して少年の健全な育成を妨げるおそれが無く相当と認めるときに、家庭裁判所は、傍聴を許すことが出来るとされています。

   なお、家庭裁判所は、あらかじめ弁護士である付添人の意見を聞かなければならず、また、少年に弁護士である付添人がいないときには弁護士である付添人を付さなければならないとされています。


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高齢者の交通事故による死亡被害

2016-01-12

   平成27年の交通事故による死者において、65歳以上の高齢者の占める割合が54.6%に上ったと平成28年1月5日付け新聞が報道しています。

   交通事故の件数は、前年比3万6676件減の53万6789件で11年連続の減少となっていますが、交通事故による死者数は、4117人で前年より4人増え15年ぶりに前年を上回っています。また、交通事故による高齢者の死者数は、2247人で前年より54人増え統計がとられるようになってから最も大きい数値となっています。

   上記報道によれば、歩行中に事故に巻き込まれるケースが目立っており、警察当局は、高齢者向けの安全講習など事故防止対策を徹底するそうです。


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薬物乱(濫)用に対する規制の強化

2015-08-03

   覚醒剤、大麻、向精神薬等の規制薬物と同様の薬理作用を有する危険ドラッグにより健康被害や他者に対する危害が発生していることを受けて、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の一部を改正する法律が平成26年11月19日に成立し公布されました。この法律の主な内容は、以下のようなものです。

   ①指定薬物であるとの疑いが生じた段階での規制の拡充
   A検査命令・販売等停止命令の対象物品の拡大(指定薬物である疑いがある物品+指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高い物である疑いがある物品)
   B販売等停止命令の期間の延長
   C販売等停止命令の対象物品の広域的販売等の禁止、中止命令、刑罰

   ②インターネット等による危険ドラッグ広告への対策
   A指定薬品等との疑いがある物品の広告の禁止(販売等停止命令・広域的販売等禁止の対象行為に広告を追加、刑罰)
   B指定薬物・無承認薬品の広告禁止違反に対する中止等の措置を採るべきことの命令・刑罰
   C違法な危険ドラッグ広告の削除要請・削除に関する損害(特定電気通信による情報の送信を防止する措置により送信を防止された情報の発信者に生じた損害)賠償責任の制限

   ③危険ドラッグの濫用防止のための対策・体制
   A指定薬物等の濫用防止に関する教育・啓発
   B指定薬物等の依存症からの患者の回復に係る相談体制・専門的な治療及び社会復帰支援に関する体制の充実
   C濫用の防止・取締まりに資する調査研究の推進
   D関係行政機関の相互連携・協力


   厚生労働省・薬物乱用防止啓発のためのFacebook(外部リンク):STOP the 薬物! 〜断る勇気が未来をつくる〜


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児童ポルノの所持・提供等と児童の権利の擁護(児童ポルノ禁止法)

2015-06-15

   児童ポルノに対して有効な規制をするという見地から平成11年に「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(児童ポルノ禁止法)が制定されましたが、この法律の改正法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律)が平成26年6月18日に成立し、同月25日に公布されました。この改正の主な内容は以下のようなものです。


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