企業における内部統制システムと内部統制構築義務

記事カテゴリー:お知らせ, ブログ, 企業法務, 経営

2017-09-25

会社法は、「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務ならびに当該株式会社およびその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」と規定(同法348条3項4号、362条4項6号)するところ、この体制は、一般に「内部統制システム」と呼ばれており、裁判例においても内部統制構築義務が問題とされています。

そこで、この義務に関する裁判例を見ると、大阪地裁平成12年9月20日判決が「健全な会社経営を行うためには、目的とする事業の種類、性質等に応じて生じる各種のリスク・・・の状況を正確に把握し、適切に制御すること、すなわちリスク管理が欠かせず、会社が営む事業の規模、特性等に応じたリスク管理体制(いわゆる内部統制システム)を整備することを要する」「取締役は、取締役会の構成員として、また、代表取締役又は業務担当取締役として、リスク管理体制を構築すべき義務を負い、さらに、代表取締役及び業務担当取締役がリスク管理体制を構築すべき義務を履行しているか否かを監視する義務を負うのであり、これもまた、取締役としての善管注意義務及び忠実義務の内容をなすものというべきである」と判示しています。また、金融取引により会社が多額の損害を被った事案につき最高裁平成22年12月3日判決は、この取引を担当しない取締役は原則的に内部統制構築義務を負うのみであるが、この取引を担当する取締役は、会社が特に定める取引に関する内部的行動規範・取扱規程を遵守しなければならないとしています。

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