複数の債権債務が対立する場合における相殺と充当

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2024-02-19

 ① 民法512条1項は,「債権者が債務者に対して有する一個又は数個の債権と,債権者が債務者に対して負担する一個又は数個の債務について,債権者が相殺の意思表示をした場合において,当事者が別段の合意をしなかったときは,債権者の有する債権とその負担する債務は,相殺に適するようになった時期の順序に従って,その対当額について捜査によって消滅する」として,複数の債権債務が対立する場合の相殺について当事者の合意がなければ相殺適状が生じた時期の順序に従って充当することを規定しています。

 ② 同法同条2項は,「前項の場合において,相殺をする債権者の有する債権がその負担する債務の全部を消滅させるのに足りないときであって,当事者が別段の合意をしなかったときは,次に掲げるところによる。

  1 債権者が数個の債務を負担するとき(次号に規定する場合を除く。)は,第488条第4項第2号から第4号までの規定を準用する。

  2 債権者が負担する一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべきときは,第489条の規定を準用する。この場合において,同条第2項中「前条」とあるのは,「前条第4項第2号から第4号まで」と読み替えるものとする。」として,同法同条1項により充当の対象が決まるが,適状が生じた時期を同じくするものが複数あるときは,合意がなければ法定充当によることを規定しています。

 ③ 同法同条3項は,「第1項の場合において,相殺をする債権者の負担する債務がその有する債権の全部を消滅するのに足りないときは,前項の規定を準用する」として,この場合にも相殺に関する法定充当を準用することを規定しています。


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