遺留分減殺請求権を行使できる期間

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2021-11-01

 被相続人の処分によって奪われることのない相続人に留保された相続財産の一定の割合を遺留分と言いますが、この遺留分に基づく減殺請求については、「遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知ったときから一年間行使しないときは、時効によって消滅する」とされています(民法1042条)。

 この遺留分減殺請求権を行使できる期間に関する裁判例を見ると、減殺すべき贈与があったことを知った時の意義について、最高裁昭和57年11月12日判決は、贈与の事実及びこれが減殺できるものであることを知った時と解すべきであるから、遺留分権利者が贈与の無効を信じて訴訟上争っているような場合はこれに当たらないとしながら、被相続人の財産のほとんど全部が贈与されたことを遺留分権利者が認識している場合には、その無効を信じているため遺留分減殺請求権を行使しなかったことがもっともと首肯し得る特段の事情が認められない限り、右贈与が減殺できることを知っていたと推認するのが相当であるとしています。

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