Archive for the ‘お知らせ’ Category

2022 Schedule the summer holidays

2022-08-04

Our office will be closed for summer holidays during the following period:

From August 11th, 2022 to August 16th, 2022(GMT+9)


Office Address:

Shirokane Tower Terrace Bldg. Floor 4th

1-17-2, Shirokane, Minato-ku, Tokyo 1080072

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保釈が許可される場合における「適当と認める条件」

2022-08-01

   被告人に対する勾留の執行を停止してその身柄拘束を解く裁判とその執行を保釈と言います。そして,この保釈を許すときには,納付すべき保証金額を定め(刑事訴訟法93条1項),また,被告人の住居を制限しその他適当と認める条件を附することができる(同法同条3項)とされています。

   この保釈が許可される場合における「適当と認める条件」に関する裁判例を見ると,大阪高裁昭和63年9月9日決定は,「被告人は,弁護人を介さずして事件関係者に対し面接,電話,文書その他いかなる方法によるとを問わず一切接触しないこと」との条件を付すことは,本件事案の内容,公判審理の経過等にかんがみ適法であるとしています。

   一方,福岡高裁昭和30年10月21日決定は,「適当と認める条件」とは,被告人の逃亡,罪証隠滅等を防止するとともに保釈後の被告人の公判出廷又は有罪判決確定後の刑の執行を確保するための条件を指称するとした上で,「保釈期間中他の犯罪を犯さぬよう謹慎していなければならない」との条件を付すことは違法であるとし,また,高松高裁昭和39年10月28日決定は,「本件公訴事実と同種犯行を行ったときは保釈を取り消すこと」との条件を付すことは違法であるとしています。


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー  テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)

最寄り駅;東京メトロ南北線/都営 三田線 「白金高輪駅」 4番出口から直通で徒歩1分
(ご来所には事前の電話予約が必要です。)アクセス(地図等)



代々木公園のナディア

労働者の解雇期間中の賃金と中間利益の控除

2022-07-25

   権利の濫用になる解雇は無効とされる(労働契約法16条)ところ,解雇されたことにより就労しなかった期間の賃金の扱いが問題となります。

   この解雇期間中の賃金について,最高裁昭和59年3月29日判決は,ユニオン・ショップ協定に基づく解雇が無効で,解雇期間中の労働者の労務提供の不履行が使用者の責に帰すべき事由による場合,労働者は反対給付としての賃金請求権を失わないとしています。

   また,最高裁昭和62年4月2日判決は,使用者が労働者に対して負う解雇期間中の賃金支払債務のうち平均賃金額の六割を超える部分から当該賃金の支給対象期間と時期的に対応する期間内に得た中間利益の額を控除することは許され,右利益の額が平均賃金額の四割を超える場合には更に平均賃金算定の基礎に算入されない賃金の全額を対象として利益額を控除することが許される。そして,賃金から控除し得る中間利益は,その利益の発生した期間が右賃金の支給の対象となる期間と時期的に対応するものであることを要し,ある期間を対象として支給される賃金からそれとは時期的に異なる期間内に得た利益を控除することは許されないとしています。


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誹謗中傷対策としての侮辱罪の法定刑の引き上げ

2022-07-18

   令和4年6月13日,侮辱罪の法定刑を「1年以下の懲役若しくは禁固若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」(刑法230条)とする「刑法等の一部を改正する法律」が成立しました。

   法務省のホームページは,この法定刑の引上げの必要性について,「インターネット上の誹謗中傷が特に社会問題となっていることを契機として,誹謗中傷全般に対する非難が高まるとともに,こうした誹謗中傷を抑止すべきとの国民の意識が高まっている 近時の誹謗中傷の実態への対処として,侮辱罪の法定刑を引き上げ,厳正に対処すべきとの法的評価を示し,これを抑止するとともに,悪質な侮辱行為に対して厳正に対処することが必要」としています。

   この規定は,同年7月7日から施行されます。


参照(外部リンク)
内閣府大臣官房政府広報室「政府広報オンライン」サイト 令和4年(2022年)4月8日 SNSの誹謗中傷  あなたが奪うもの、失うもの#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上での誹謗中傷等について紹介しています。


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労働条件を変更するための変更解約告知

2022-07-11

   使用者からの労働条件の変更の申込を労働者が承諾しないことを理由として行われる解雇を変更解約告知と言います。

   この変更解約告知に関する裁判例を見ると、東京地裁平成7年4月13日決定は、雇用契約により特定された職種等の労働条件を変更するために新契約締結の申込みを伴う雇用契約の解約を行うことは、当該労働条件の変更が会社の業務運営にとって必要不可欠であり、その必要性が労働条件の変更によって労働者が受ける不利益を上回っていて労働条件の変更を伴う新契約締結の申込みがそれに応じない場合の解雇を正当化するに足るやむを得ないものと認められ、かつ、解雇を回避するための努力が十分に尽くされているときには有効であるとしています。また、大阪地裁平成10年8月31日判決は、変更解約告知といわれるものは、その実質は労働条件変更のために行われる解雇であるが、労働条件変更については就業規則の変更によってされるべきものであり、ドイツ法と異なって明文のない我が国においては変更解約告知という独立の類型を設けることは相当でない。本件解雇の意思表示はその実質は整理解雇にほかならないのであるから整理解雇と同様の厳格な要件が必要であるとしています。


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人員整理のための整理解雇

2022-07-04

   業績の悪化や経営不振などといった使用者側の事情によって人員整理のためにおこなわれる解雇を整理解雇と言います。

   この整理解雇が問題となった裁判例を見ると,東京高裁昭和54年10月29日判決が,整理解雇は,事業部門の閉鎖が企業の合理的運営上やむを得ない必要に基づいており,右事業部門に勤務する従業員を他の事業部門の同一あるいは類似の職種に配転する余地がなく,解雇対象者の選定が客観的・合理的基準に基づくものであることの三要件を充足する場合に有効となる。また,労働協約や就業規則における人事協議条項に基づく協議を経ない場合,その他労働者に対する十分な説明を欠くなど手続上の信義則に違反した場合には,整理解雇は権利の濫用として無効となるとしています。また,東京地裁平成12年1月21日決定が,いわゆる整理解雇の四要件は,整理解雇の範疇に属すると考えられる解雇について解雇権の濫用に当たるかどうかを判断する際の考慮要素を類型化したものであって各々の要件が存在しなければ法律効果が発生しないという意味での法律要件ではなく,解雇権濫用の判断は,本来事案ごとの個別具体的な事情を総合考慮して行うほかないものであるとしています。


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労働契約法16条が定める解雇権の濫用法理

2022-06-27

   労働契約法16条は,「解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合は,その権利を濫用したものとして,無効とする」と規定しています。

   この規定は,裁判例の蓄積によって確立した解除権濫用法理を明文化したものです。この法理に関する裁判例を見ると,最高裁昭和50年4月25日判決が,「使用者の解雇権の行使も,それが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には,権利の濫用として無効になる」としています。また,最高裁昭和52年1月31日判決が,労働者に解雇事由がある場合においても,「当該具体的な事情のもとにおいて,解雇に処することが著しく不合理であり,社会通念上相当なものとして是認することができないときには,当該解雇の意思表示は,解雇権の濫用として無効になる」としています。


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懲役と禁錮を一元化する拘禁刑の創設

2022-06-20

   令和4年6月13日に改正刑法が成立しました。この改正法では,刑務作業を義務づけている懲役刑とこれを義務化していない禁錮刑を廃止して両刑を一元化する「拘禁刑」を創設し,「改善更生を図るため,必要な作業を行わせ,必要な指導を行うことができる」と規定しています。

   令和4年6月14日付読売新聞はこの刑法の改正につき,「拘禁刑 懲役と禁錮一元化」というタイトルでその「導入の背景には再犯状況の悪化と受刑者の高齢化がある。導入後は薬物依存や性犯罪などの矯正プログラムに時間を割いたり,出所後を見据え,高齢者に体力などを向上させるリハビリを重点的に施したりできる。適用対象は施行後の犯罪で,施行前に懲役・禁錮の判決が確定した受刑者などには両刑が執行される」と報じています。


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労働契約の内容となる就業規則の合理性

2022-06-13

   労働者と使用者との間の労働契約について労働契約法7条は、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容はその就業規則で定める労働条件によるものと規定しています。

   この就業規則の効力について、最高裁昭和61年3月13日判決は、就業規則が労働者に対し一定の事項につき使用者の業務命令に服すべき旨を定めているときは、そのような就業規則の規定内容が合理的なものである限りにおいて当該具体的労働契約の内容をなしているものということができるとしています。

   また、会社の都合による特別な場合のほかは満65歳に達した日以後における最初の雇用契約期間の満了の日が到来したときは、それ以後雇用契約を更新しないと定める就業規則の合理性について、最高裁平成30年9月14日判決は、期間雇用社員について労働契約法にいう合理的な労働条件を定めるものであるとしています。


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時間外・休日・深夜労働についての割増賃金の支払い

2022-06-06

   使用者は、時間外・休日・深夜労働について割増賃金を支払わなければならない(労働基準法37条1項4号)とされています。そして、この割増賃金は、時間外労働の場合は通常の労働時間又は労働日の賃金の25%以上、休日労働の場合は35%以上(同法同条1項2項)、深夜労働の場合は通常の労働時間の賃金の25%以上(同法同条4項)とされています。

   この割増賃金の支払いと通常の労働時間の賃金に支払いについて、裁判例は、支払いが通常の労働時間の賃金と割増賃金部分との判別が不可能な場合には割増賃金が支払われたとはいえないとしています(最高裁平成6年6月13日判決、最高裁平成24年3月8日判決、最高裁平成29年7月7日判決等)。


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