Archive for the ‘経営’ Category

新しい民法(7)債権の消滅時効における時効期間と起算点

2018-06-25

 現行民法では、債権の消滅時効における時効期間と起算点について、「権利を行使することができる時から10年」としています(民法166条1項、167条1項)が、改正法では、「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき」か、「権利を行使することができる時から10年間行使しないとき」に時効によって消滅する(改正民法166条1項)としています。

 また、現行民法は、170条から174条で短期消滅時効について規定していますが、改正法は、これらの規定を削除しています。

 さらに、改正法は、定期金債権について、行使することができることを知ったときから10年間行使しないときか、これらの各債権を行使することができるときから20年間行使しないときは、時効によって消滅する(改正民法168条1項)とし、生命、身体の侵害による損害賠償請求権について、5年間と20年間のいずれかによって時効消滅する(改正民法167条、724条の2)としています。

【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

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新しい民法(5)売買契約における売主の瑕疵担保責任

2018-06-11

 現行民法における売主の瑕疵担保責任の法的性質については、法定責任説、債務不履行説などが主張されていますが、改正法は、債務不履行説の立場に立って条文を整理したと説明されています。

 まず、責任を負う場合について、改正法は、「瑕疵」という文言を使わず、引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない(契約不適合)ものであるときと規定しています。また、契約不適合が「隠れた」ものであること、買主が善意であることを要求していません(以上、改正民法562条1項)。また、現行民法571条を削除して改正民法533条において同時履行の関係に立つ債務として債務の履行に代わる損害賠償債務を規定しています。

 次に、改正法は、契約不適合があった場合に買主は、売主に対し、売主の帰責事由の有無を問わず追完請求権を行使できる(改正民法562条1項、565条)が、履行不能になっている場合や買主に帰責事由がある場合には行使できない(改正民法412条の2、562条2項、565条)としています。なお、追完の方法は、目的物の修補、代替物の引渡しまたは不足分の引渡しでその選択は買主が行いますが、売主の選択する方法が買主に不相当な負担を課すものでない場合には、売主は、買主の選択と異なる方法によることができる(改正民法562条1項)とされています。

 また、改正法は、契約不適合があった場合に買主は、売主に対し、売主の帰責事由の有無を問わず代金減額請求権を行使できるとしていますが、追完が不能・売主が追完を拒絶する意思を明確に示した・定期行為の時期が経過した・追完を受ける見込みがないことが明らかであるときを除いて、相当な期間を定めて追完を催告することが必要であり(改正民法563条1項・2項、565条)、また、買主に帰責事由がある場合には行使できない(改正民法563条3項)としています。なお、解除及び損害賠償請求の要件・効果は、債務不履行の一般原則(改正民法564条)によることになります。

 また、改正法は、権利を行使できる期間について、目的物の種類・品質が契約不適合の場合にはそれを知った時から1年(改正民法566条)としましたが、その他の場合については特則を設けていません。

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当ウェブサイト内のサイトページ追加(介護施設)のお知らせについて

2018-06-08

 被介護者虐待が社会問題になっています。当ウェブサイト内の「取扱分野」のカテゴリー内の「社会福祉(旧高齢者)」において、以下のサイトページを追加したのでお知らせします。

介護施設に関する悩み

URL: https://hirama-law.jp/service/troubles-concerning-care-facilities/

今後とも、本サイトをご愛嬌いただけますよう心からお願い申し上げます。
ひらま総合法律事務所

新しい民法(4)事業者が作成した約款に基づく取引

2018-06-04

 現行民法には約款に関する規定がありませんが、事業者が作成した約款に基づく取引が広く行われていることから、改正法では定型約款に関する規定が設けられます。

 まず、適用の対象となる定型約款について、定型取引において契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体、定型取引について、ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものと定義(改正民法548条の2第1項)しています。

 また、定型約款が契約の内容になる場合について、
①定款約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき、
②定款約款の準備者があらかじめその定款約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたときのいずれかを満たす状況で定型取引合意がなされた場合としています(改正民法548条の2第1項)。

 なお、定型約款の準備者は、定型取引合意前か定型取引合意の後相当の期間内に相手方から請求があった場合には、定型約款の内容を開示しなければならない(改正民法548条の3)とされています。

 また、定款約款の効力について、
①相手方の権利を制限し、または相手方の義務を加重する条項であり、
②その定型取引の態様およびその実状並びに取引上の社会通念に照らして信義則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められる定款約款の条項は、合意をしなかったものとみなす(改正民法548条の2第2項)とされています。

 さらに、定款約款の変更について、
①相手方の一般の利益に適合するときか
②契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性などの変更に係る事情に照らして合理的なもので、効力の発生時期を定め、約款変更する旨、変更後の約款内容、その効力の発生時期を周知しなければならない(改正民法548条の4第2項)とされています。

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社内メールの私的利用とその閲覧・監視

2018-05-07

 企業内における情報伝達の手段として社内メールが利用されているところ、従業員の了承を得ることなく使用者がこのメールを閲覧・監視することが従業員のプライバシー権の侵害にならないかが問題となります。
この問題に関する裁判例を見ると、東京地裁平成13年12月3日判決は、「監視の目的、手段及びその態様等を総合考慮し、監視される側に生じた不利益とを比較衡量の上、社会通念上相当な範囲を逸脱した監視がなされた場合に限り、プライバシー権の侵害になる」としてプライバシー権の侵害となる場合について述べていますが、誹謗中傷メールの調査においてサーバーに保存されていた電子メールを本人の了承を得ることなく調査したという事案について、東京地裁平成14年2月26日判決は、「ファイルの内容を含めて調査の必要が存する以上、その調査が社会的に許容しうる限界を超えて原告の精神的自由を侵害した違法な行為であるとはいえない」としてプライバシー権の侵害を否定しています。

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借家の明渡しと立退料の支払い

2018-04-23

 建物を賃貸している家主が借家契約を解約あるいはその更新を拒絶して借家人に対して家屋からの立退きを請求する場合に家主から借家人に対し立退料(移転料・明渡料)として金銭が支払われることがあります。

立退料は、
①移転費用の補償

②失う利益の補償

③消滅する利用権の補償を内容とするというのが一般的であり、

①としては梱包、運送、移転通知費用等の引越費用、敷金、不動産業者に対し支払う仲介料等の移転先取得のための費用、増加した賃料の差額の補償、

②としては移転先で同一の営業を開始するための費用、休業期間中の損失や減収分の補償、

③としては消滅する借家権の補償などが問題となります。

 なお、裁判例においても立退料は認められており、相当額の立退料を支払うことと引換えに家主からの明渡請求を認めています(最高裁昭和38年3月1日判決、最高裁昭和46年11月25日判決等)。

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市街地再開発事業

2018-02-19

市街地再開発事業には第一種と第二種があります。そして、①第一種市街地再開発事業では公益を実現するために強制的に土地所有権等を別の権利に変換する権利変換を行う公用権利変換、②第二種市街地再開発事業では任意買収と収用という手法が用いられ、いずれの事業も都市再開発法に基づいて施工されます。
 第一種市街地再開発事業では、権利変換を希望しない申出をしない限り権利変換を受けることになりますが、第二種市街地再開発事業では、譲受け希望の申出をしない限り金銭補償となります。

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権利変換手法を使う都市計画事業(市街地再開発など)

2018-02-13

都市計画事業には土地上に都市計画施設を整備する都市計画施設整備事業と市街地の整備をする市街地開発事業があります。そして、市街地開発事業には収用という手法を使うものと公用権利変換という手法を使うものがあり、公用権利変換は、公用換地と狭義の公用権利変換とにさらに分けることができるところ、公用換地という手法を使う事業として土地区画整理事業(土地区画整理法)と住宅街区整備事業(大都市における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法)、狭義の公用権利変換という手法を使う事業として第一種市街地再開発事業(都市再開発法)、換地と収用を併用する事業として新都市基盤整備事業(新都市基盤整備法)があります(なお、第二種市街地再開発事業では任意買収と収用という手法が使われます)。

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借地・借家に関する特約と消費者契約法

2018-01-22

借地・借家契約における特約については借地借家法上の強行法規や民法上の一般原則(公序良俗、信義則、権利濫用)との関係の他、消費者契約法との関係が問題となります。
 この点に関する裁判例を見ると、建物の賃貸借契約における自然損耗等についての原状回復義務を賃借人に負担させる旨の特約を同法10条により無効とした大阪高裁平成16年12月17日判決、更新料を支払うとの約定を同法10条より無効とした大阪高裁平成21年8月27日判決、更新料特約及び敷引特約をいずれも同法10条により無効とした京都地裁平成21年7月23日判決などがありましたが、最高裁平成23年3月24日判決が敷引特約について敷引金の額が高額に過ぎると評価されない限り同法10条に該当せず有効であるとし、また、最高裁平成23年7月15日判決が更新料支払特約について更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、同法10条に該当せず有効であるとしています。

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借家契約における迷惑行為防止特約

2018-01-15

マンションやアパートなどの賃貸借契約において、賃借人とその他当該建物を使用する者による近隣の居住者等に対し迷惑をかける行為を禁止する旨の特約が定められ、このような特約の違反が契約解除の原因として問題となることがあります。
このような特約に基づく契約の解除が問題となった裁判例を見ると、賃借人がショッピングセンターの秩序を乱したりすることを特約で禁止している場合に賃借人が他の賃借人と争ったことから賃貸人が賃借人に注意をしたところ、賃借人が賃貸人に対し暴言を吐いて暴行を加える等の事情があるときに賃貸人は契約を無催告で解除できるとした最高裁昭和50年2月20日判決、賃借人が共同生活上の秩序を乱し近隣の迷惑となる行為をしたことを理由とする契約解除を認めた東京地裁平成10年5月12日判決などがあります。

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